ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

平成25年度 八尾市史編纂記念講演会

[2018年1月18日]

ID:22050

ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます

平成25年度 八尾市史編纂記念講演会

市史編集委員(民俗部会長)の市川秀之先生(滋賀県立大学教授)の写真

 



 八尾市では、平成23年度から編纂事業を行っており、編纂に携わっている方々に八尾の歴史や文化財、調査状況等についてお話いただいています。
 平成25年度は、10月20日(日)に市史編集委員(民俗部会長)で滋賀県立大学教授の市川秀之先生をお迎えして、民俗調査を進める中で明らかになったことを演題にご講演いただきました。

神社の祭礼と村落

はじめに

  祭りの中に現れる村落の空間のあり方、祭りを支えている組織の変化を八尾で行われている祭りから考えてみる。

1 玉祖神社の祭祀圏の変化

  元禄10年(1697)、高安11ヶ村は、雨乞い祈願の灯籠を玉祖神社に寄進しており、神社とのつながりがわかる。玉祖神社の祭りをいつから高安祭と言うのか分からないが、寛保2年(1742)頃には、神立・大竹・水越・千塚・大窪・山畑・服部川・郡川の地域で祭りが行われている。天明2年 (1782)頃には、教興寺・黒谷・垣内が、祭りに参加を申し出た記録がある。江戸時代に成立した村が今日の地区になっているが、現在、神立・大竹・水越・千塚で祭りを行っている(一部の祭礼に楽音寺が参加)が、他の地区はそれぞれに行っていて参加しておらず、時代によって変化していくことがわかる。

2 高安祭にみる村落空間(村落の境界、村落の中心)

  宅地開発が進んで家が立ち並び、ふだん村境を意識することはない。しかし、祭りのときにお神輿を次の村へ引き継ぐ場所が村境であることがわかる。 そこでは二つの村の太鼓台が揃い、お互いの競争意識が強く働いて掛け合いが行われる。これが、お祭りの大きな楽しみの一つであり、特色にもなっている。キツネやタヌキに化かされたという話は、たいてい村境で起こっている。人類学で言うところの両義的(二つの異なった意味をもつ)な場所、そこに行くと異次元に入ってしまうという場所である。そういう感覚が祭りのときに表れる。

  村の真ん中に辻があり、お神輿や太鼓台が何度も通ったりする場所がある。そこには、村の重要施設が集まっていたり、日常生活の中でもいろんな機能を果たしていたりする場所である。ヨーロッパのような大きな広場ではないが、人がよく集まるという意味では広場であり、村の中心として村人たちの生活にとって、とても大きな意味を持っている。恩智地区の天王の森もそうであり、それが一番よく現れるのが、祭りのときである。

3 神社祭礼を支える組織

   神立の千度講は、トヤ(祭りの世話役)の家でお勤めをされている古い伝統的な行事で、ひっそりとした祭りである。また、恩智神社には御供所講がある。その御供所神事は米粉を独特な形に仕上げ油で揚げたものをお供えする行事が主体であり、古いタイプの祭りである。日本の祭りは、神様にお供え物をするというのが基本であるが、後に、風流と呼ばれる舞や踊り等、さまざまな芸能が加わっていく。今日のような賑やかな祭りはわりと新しいものである。

  祭りを特権的に担う組織である「宮座」には、ムラの一部の家が参加する株座と、すべての家が参加する村座とがある。調べた範囲では八尾は株座が主体である。現代ではその形態が無くなりつつあり、宮座からムラへというものに変わってきている。また、八尾では年齢集団(年齢によってグループ分けして役割を分担する)ははっきりしない。むしろ、年齢集団については、太鼓台の行事で、若者たち、青年団の役割が顕著で、次第に強くなってきているようである。 また、若者たち、青年団だけで太鼓台が担げなくなってきて、そこを卒業したOBたちの組織が出来ている。トヤ制も一人でやるのではなく、5人ぐらいの組でやっていくタイプが多くなっており、負担を軽減する組織が形成されつつある。

4 新版八尾市史『民俗編』の調査とお祭り

    祭りではもともと神様が乗るお神輿が重要な役割を担っており、太鼓台やだんじりは、お神輿を賑やかすためのものである。今は完全に逆転してしまい、お神輿のない祭りもある。こういう祭りが普及し、主役は若者たち、青年団になってくる。今まで静かな祭りであったものが賑やかな、非常に華やかな若者たち、青年団の祭りへと変化していく。

  八尾の祭りをみていくと、今でもいろいろな要素が残っていて、その変遷を教えてくれる。お供え物を主体とする静かな祭りから神様を喜ばせる賑やかな祭りへ、やがては神様がいない祭りに変化していくかもしれない。そのプロセスが八尾の祭りを観察することでよく分かる。
参考写真:巡幸に出発する神輿、ふとん太鼓の「さしあげ」(玉祖神社夏祭り)

巡幸に出発する神輿、ふとん太鼓の
「さしあげ」(玉祖神社夏祭り)

平成25年度記念講演会概要

お問い合わせ

八尾市教育総務部 市史編纂室

電話: 072-924-3038

ファックス: 072-924-3785

電話番号のかけ間違いにご注意ください!

お問い合わせフォーム

ご意見をお聞かせください

  • このページは役に立ちましたか?

  • このページは見つけやすかったですか?