[2022年9月19日]
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「稚児」表紙
東光の師・谷崎潤一郎の序文
今東光は30歳を過ぎて出家してから、文壇の中央とは隔てをおく状態になっていましたが、執筆の手を止めたわけではありませんでした。
出家後発表された、稚児(ちご)を想ううらさびれた老僧の葛藤を描いた中編小説「稚児」は、親友・川端康成をして「東光さんは健在ですね」と言わしめ、師・谷崎潤一郎が「こういう作品は尋常の僧侶の成しうるところではないが、又尋常の小説家も書くことは出来ない」との序文を記しています。
さらには三島由紀夫も『稚児』を大絶賛していたことを瀬戸内寂聴が明らかにしていますし、「稚児」はフィクションではありながらも、貴重な資料的価値があるものと考える人も多くいます。
昭和初期、戦争の足音が迫る時局に翻弄され、公開内容の制限を受けなかなか日の目をみなかった作品でしたが、その後の一風変わった経緯も含め、今回の展示では動画で解説します。
知られざるエピソードがたくさん紹介されていますので、是非ごらんになりお楽しみください。
八尾市教育委員会事務局 八尾図書館内
今東光資料館
電話: 072-943-3810
ファックス: 072-923-2937