令和6年度 幼児教育研修実践紹介
令和6年度 幼児教育研修実践紹介
キャリアステージ研修(1)-5月20日(金曜日)
講義・ワーク「子どもを尊敬するまなざしやかかわりについて」
常磐会短期大学 非常勤講師 保田 維久子 さん
『子どもが困っていること』を出発点にして、「かかわりや環境を考える」「こども理解からどのように遊びの援助をするのか」、事例を用いたワークも交えながら教えていただきました。イヤイヤ期は自立への第1歩であること、大切なことは「受けとめてもらえた」「理解されている」「尊重してもらえた」という信頼関係が土台になっていることをお話いただき、参加者同士で交流する中で、保育を客観視でき、自身の思い込みを見つめ直す機会となりました。
特別支援教育・保育研修(1)―6月5日(水曜日)
講義・ワーク「今日から実践!子どもの行動理解と支援方法」~社会性・コミュニケーションの視点から~
社会福祉法人北摂杉の子会
こども発達支援センター Will センター長 新谷 沙弥香 さん
「子どもの行動の特徴」「社会性の発達の質的な違い」「子どもに合わせた支援とは」など、ポイントを絞ってお話いただきました。実践事例を紹介しながら、写真とともに、具体的な合理的配慮を教えていただけ、すぐに現場で取り入れてみたいとの声も多くある研修となりました。
健康及び安全研修―6月13日(木曜日)
講義「口と姿勢の発達から考える健康づくり」~生命活動の3S―息育・食育・足育~
医療法人西川歯科 理事長 西川 岳儀 さん
『噛めない、歯並びの悪さ、食べない、便秘、すぐにこける、姿勢が悪い』等の悩みは、口腔機能、姿勢と関連しており、発達の法則があることを具体例とともに教えていただきました。体軸をしっかり整え、咀嚼・嚥下のために必要な機能を伸ばしていきたいと思える研修でした。
キャリアステージ研修(2)-6月14日(金曜日)
講義「主体性と意欲を育む乳児保育とは」
大阪総合保育大学 准教授 石丸 るみ さん
人格形成の基礎は『情緒の安定』が基盤となり、大好きな大人と安心できる環境の中で、自発性→自己統制力→知識がつながっていくことを学びました。乳児の主体性は「いたずら」から始まるという言葉が印象的で、子どもの主体性につながる「遊び」として保育に取り入れていく大切さを教えていただきました。また、事前質問での保育者の悩みに寄り添った内容もあり、参加者の意欲にもつながる研修でした。
地域連携研修―6月28日(金曜日)
講義・ワーク「ワクワクをつなげる幼保こ小連携」~幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)から考える~
四天王寺大学 准教授 田辺 昌吾 さん
子ども家庭庁より出された「幼児期の子どもの育ちに係る基本的なビジョン(はじめの100か月の育ちビジョン)概要を示しながら、『小学校で困らないため』ではなく、地域資源として小学校を活用することで、今の教育・保育がよりよくなるとともに、就学前での学びをつなげる大切さを教えていただきました。ワークでは、10の姿の理解と実践とのつながりを考えたり、意見を交流したりする場となりました。
食育研修-7月4日(木曜日)
講義「楽しく食べる子どもを育てるために」
桜花学園大学 副学長
名古屋短期大学付属幼稚園長
名古屋短期大学 教授 小川 雄二 さん
五感を使った「味見当番」を通して、自分が感じたことをどう人に伝えようか考えたり、自分なりの表現で伝えたりしている子どもの姿から、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)が見えてくることも教えていただきました。子どもが楽しく食べるための発達のポイントや、楽しく食べることで意欲的な生活につながることも具体例を挙げてお話いただけ、保育のヒント、子どもへのかかわりを見直す機会となりました。
初任ステージ研修(1)―7月19日(金曜日)
講義・ワーク「子どもの現実から保育が始まる」~子どもを見る目を確かにするために~
常磐会短期大学 教授 ト田 真一郎 さん
保育を見通すステップとして、(1)こども理解(保育課題の明確化)(2)ねらいの明確化(めざす集団像・育てたい価値観と各時期のねらいを考える)(3)活動内容を考える(4)保育者のかかわりを考える(直接的なかかわりと間接的かかわり)を教えていただきました。「自分の価値観のあり方を改めて、多様であるのが当たり前と感じられる保育をしていきたい」「遊びの中にどのような学びがあるのかを考えて保育していきたい」などの意見もあり、明日からの保育につながる研修となりました。
ミドルリーダーステージ研修(1)―8月1日(木曜日)
講義・ワーク「園内研修を進めるためのファシリテーション」
京都教育大学 准教授 佐川 早季子 さん
今、なぜ園内研修が大切なのか、園内研修の目的とはどのようなものなのか、研修がおもしろくなるサイクルについて、園内研修での学びのプロセスについて、具体的にお話いただきました。グループワークでは、ファシリテーター、記録者、タイムキーパーなどの役割を担い、どうすれば話しやすいのか、何を問うのかを考えながら体験することができました。「ワークの中で、すべての答えが出なくていい。少し疑問が残ることもあってもいい」とも教えていただき、苦手意識の軽減になり、前向きになれる研修となりました。
ミドルステージ研修(1)―8月20日(火曜日)
講義・ワーク「幼児の学級集団づくりについて」
大阪総合保育大学 非常勤講師 三輪 よし子 さん
「どのような価値観をもった集団を育てるのかを考えることが、学級を育てることの第1歩となる」との言葉が印象的な研修でした。子どもの価値観を育てる中で、保育者が子どものありのままの姿を認めたり、1番でなくても失敗しても大丈夫だということを伝えたりして、保育者自身の価値観を見直すことが原点であると教えていただきました。
特別支援教育・保育研修(2)―8月27日(火曜日)
講義「気になる子どもの保護者支援について」~具体的な支援の方法を考える~
武庫川女子大学 教授 新澤 伸子 さん
子どものアセスメントだけでなく、保護者のアセスメントも大切にし、保護者が自信をもって子育てできるような、子育ての伴走者となることが大切であると学びました。早期介入する目的と意義を知る、また、保護者の視点を理解することから、どのような支援が必要か教えていただきました。気になる子どもの姿から具体的な支援方法を知ることもでき、明日からの支援につながる研修となりました。
子育て支援研修―9月5日(木曜日)
講義・ワーク「子育て支援の視野を広げよう」~子育ての伴走者として支え合うかかわりを大切に~
大阪大谷大学 准教授 河野 清志 さん
子育て支援における保育者の役割として、様々な社会資源を知り、適切な機関とつなげる必要があること、ソーシャルワーク(相談援助)に焦点をあてる支援の仕方を学べた研修でした。保護者への相談支援として、解決策に焦点をあて、未来を展望することで前向きな思考になりやすくなる『解決志向アプローチ』を教えていただきました。解決のための資源を見つけるために、コミュニケーション技法として『ソリューショントーク』や『例外探しの会話』を活用していくことを、グループワークを通して学べ、考え方が広がる研修となりました。
保育のための基本研修(1)―9月13日(金曜日)
講義・ワーク「明日から活かせるわらべうたと絵本」
わらべうたの会 「わたぼうし」 代表 中西 知子 さん
絵本の役割、選び方、読み方、そして愛着関係を築ける教材となることを改めて教えていただきました。わらべうたでは、実際に体を動かしながらその楽しさ、実践のヒントがあり、楽しみながら学ぶことができました。すぐに園で実践したいとの声が多くある研修となりました。
初任ステージ研修(2)-10月21日(月曜日)
講義・ワーク「子どもが遊びたくなる保育環境づくり」
大阪総合保育大学 准教授 髙根 栄美 さん
子どもの《自分でできる》を助けるために、《自分で選んで、考えて、できる!》を0歳児の頃から体験できるような環境とは何かを、講義やペアワーク、写真から学ぶことができました。豊かな体験を引き出す環境になっているか色々な視点で評価し、保育を説明する、発信する力も求められているとお話しいただきました。参加者から、「年齢に応じた環境やかかわりを大切にし、《自分でできる》を奪わない保育をしていきたい」との感想もあり、保育を振り返る機会となりました。
ミドルリーダーステージ研修(2)-10月29日(火曜日)
講義・ワーク「ともに育ち合う人材育成」
大阪教育大学 教授 戸田 有一 さん
人材育成の悩みから、さまざまな解決方法を提示していただけました。悩んでいる人へ、本当はどうしたかったのか、そのためにどうしたらいいかを一緒に考えていく、「人」を変えるのではなく「場」を変える、などの視点を学べました。グループワークでは、『価値観発掘ワーク』のシートを使用し、互いがもっている価値観が可視化されるワークを行いました。「自身の価値観を知り、グループで話している人の価値観も感じられた」との感想もあり、ともに働く仲間が、尊重し合うことが大切であり、それが人材育成につながると知れました。
ミドルステージ研修(2)-11月15日(金曜日)
講義・ワーク「乳幼児期に育てたい非認知能力」
キッズいわき・ぱふ 代表 岩城 敏之 さん
子どもは遊んで育つ、『幸せに生きていくための力を育てていきましょう』という言葉が印象的な研修でした。また、「私の人生の主人公は私」であること、心が動いて体が育つこと、など心に残るワードも多くありました。子ども一人ひとりが自分の得意を伸ばし、苦手なことにはヘルプを出せる、そのための力を育てることが私たちの役割であると実感しました。保育実践の中で意識する視点をたくさん学べました。
保育のための基本研修(2)-12月5日(木曜日)
講義・ワーク「日常の遊びからつながる音楽遊び」~遊びから始まる心が弾む音楽遊び~
音楽グルメの会 代表 久保 修三 さん
タンブリンや鈴、カスタネットを用いて、楽器の使い方やリズムの取り方など、実際に体験することで、楽しみながら参加できました。五感を使って遊ぶことが子どもにとって大切であり、感性や感覚の育ちにつながると教えていただきました。「教え込む指導法ではなく、褒める・認める・励ますことを大事に、子どもが自ら感じ、考え、楽しめるような取り組みをしていきたい」との感想があり、心が弾む音楽遊びにつながる研修となりました。
幼児教育アドバイザーによる企画研修―12月13日(金曜日)
講義・ワーク「はばたけ!私の経験!」~「これでいいのかな?」を「これでいいんだ!」に変えよう~
八尾市幼児教育アドバイザー
「経験を重ねても保育の悩みや迷いはつきない」との現場からの声をきき、7~15年目の保育者を対象に研修を企画しました。事例(動画や写真)をもとに、子どもの育ちや学びを見取り、保育環境や保育者のかかわりについて考え合えるようにしました。参加者同士が、自身の保育経験をもとに、意見を出し合ったり共感したりして、グループワークが活発に行われていました。保育の中で、「これでいいのかな?」と迷った時に、「保育を考える2つの視点」((1)こども理解と(2)保育者の思い)で振り返ることで、「これでいいんだ!」と思えたり、「そういう考え方や見取り方もあるんだ!」と保育の幅を広げたりする機会になった研修でした。
管理職ステージ研修―1月10日(金曜日)
講義・ワーク「保育者がいきいきと働く職場づくりに向けて」
フェリアン 副所長 津村 薫 さん
メンタルヘルス対策として、不調者が発生したら対応する(病気対応型)から、職場環境の改善などにより、働きやすい職場づくりをする(人的資源管理型)へと変わりつつあることを学びました。「一日の最後に一人反省会をしない、良かったことを3つノートに書く」という話が印象に残りました。参加者から、「仕事のストレスが多い職場なので、ストレスをうまく解消する術を自分で見つけていきたい」「負担を軽くする(コーピング)と、同僚などから支えや援助を受ける(ソーシャルサポート)を意識していくことを心掛けていきたい」との感想もありました。管理職である自身の心のケア、心の余裕が、働きやすい職場づくりにつながると学べた研修でした。
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