R8校長室より3

ページID1025234  更新日 令和8年8月25日

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2学期の始まりにあたり

2学期が始まりました。暑い中、活動を続けてきた部活動も、その多くが代替わりをし、2年生が中心となった活動が始まっています。吹奏楽部と芸術部では、文化祭に向けて3年生を中心に準備を進めています。

今年は9月に入るとすぐに3年生が修学旅行に出発するという、例年とは異なる2学期のスタートとなります。その後も体育大会、文化祭と大きな行事が続き、学校全体が一気に慌ただしくなっていきます。

長期の休みが明けるとき、特に生徒の様子を気にするようにしていますが、データ的には夏休み明け児童・生徒が自ら命を絶つということが、一番多くなっています。

子どもたちが抱えるしんどさの理由はさまざまです。「夏休みが終わって学校が始まるから」ということだけではありません。大人には小さなことに見えても、本人にとっては大きな悩みであることもあります。また、周囲には分からないまま一人で抱え込み、思いがけない行動につながってしまうこともあります。

表情がいつもと違う、好きだったことに興味を示さなくなった、睡眠時間や時刻、食欲がなくなったなどの変化、「疲れた」「もういや」といった言葉が増えた。変化の表れ方は一人ひとり違いますし、はっきりとした兆候が見えるとは限りません。だからこそ、「学校へ行くのは当たり前」という見方をいったん横に置き、いつもと何か違うと感じたときには、まず子どもの声に心を寄せることが大切だと思います。しんどいときにはいったんその場から離れていい。困ったときには誰かに助けを求めてもいい。子どもたちがそう思える環境を、家庭と学校が一緒につくっていきたいと思います。

私たち教職員も、いつも以上に生徒たちの様子に気を配ってまいります。ご家庭でも気になることがありましたら、小さなことでも学校へご連絡ください。一緒に考えていきたいと思います。

12月まで続く2学期は、1年で最も長く、行事も多い学期です。子どもたちが安心して学校生活を送り、それぞれの力を発揮できるよう取り組んでまいります。今学期も、保護者の皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

平和の原点

7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする大きな地震が発生し、最大震度7を観測しました。今年は、平成28年(2016年)の熊本地震から10年を迎え、復興してきた街の様子をニュースなどで目にする機会が多くあっただけに、10年かけて取り戻してきた日常が再び一瞬にして奪われたことに、胸が痛みました。

8月13日、夕方から千葉県を襲った豪雨も、想像を絶するものでした。テレビでは気象警報が切れ目なく流れ、大雨特別警報や土砂災害に関する警戒レベル5相当の情報も発表されました。警戒レベル5は、これから避難を始める段階ではなく、すでに安全な避難が難しく、命を守るための行動が求められる段階です。翌日のニュースでは、浸水した街や道路など、その恐ろしさを伝える映像が次々と流れました。放置された車両が約2,700台、それが新たな交通事故の原因にもなったと聞き、災害は雨がやんだから終わるものではないのだと感じました。9月には、3年生が修学旅行で東京方面を訪れます。ディズニーランドのある浦安市は記録的な雨に見舞われたものの、今回の深刻な浸水被害の中心からはやや外れていました。それでも、修学旅行中に同じような災害が起きたとしたら、学校としてどのような対応ができるのか、改めて考えさせられました。熊本の地震とはまた違う、自然災害の恐ろしさを目の当たりにしたように感じました。

そして、この2つの大きな自然災害の間、8月6日には広島で、9日には長崎で平和記念式典が行われました。8月15日のニュースで、二十歳前後の男女に「今日は何の日か知っていますか」と街頭で質問すると「知らない」と笑いながら答える若者の姿がありました。もちろん編集によってそうした回答をした人が多く放送されているのかもしれませんが、それでも少し怖さを感じました。戦争を直接知る人が少なくなっていく中で、私たちが子どもたちに平和について伝えていくことの大切さを、改めて考えました。

今年の長崎の平和宣言では、13歳で被爆した吉田勝二さんの言葉が紹介されました。

「平和の原点は、人間(ひと)の痛みがわかる心を持つこと」

吉田さんが被爆体験を語る中で、伝え続けてきた言葉です。相手の立場や苦しみに心を寄せ、わかり合おうとすること。それは、人と人との間でも、国と国との間でも、対立や衝突を避け、信頼を築いていくための第一歩なのだと思います。

震災や豪雨で被害を受けた地域で、復旧・復興に懸命に取り組む人たちがいます。そして、その人たちを支えようと動く多くの人たちがいます。その姿を見ると、吉田さんの言葉は、今も確かに生きていると感じます。一方で、世界各地で続く戦争や紛争に目を向ければ、「人の痛みがわかる心」を持つことが、いかに難しいことであるかも思い知らされます。

それでも、だからこそ、この言葉を子どもたちに伝えていくことが大切なのだと思います。2学期が始まる今日、始業式で生徒たちにこの話をしました。

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