令和7年度 幼児教育研修実践紹介

ページID1022006  更新日 令和7年12月24日

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令和7年度 幼児教育研修実践紹介

特別支援教育・保育研修(1)―5月19日(月曜日)

講義 「行動観察のポイントと特性に合わせた支援」~子どものありのままの姿から見えてくる手立てとは~

 大阪教育大学 准教授 庭山 和貴 さん

 「ポジティブ行動支援とは」「ポジティブ行動支援の基本」「困った行動への対応と支援について」を柱に、具体的な事例や体験型のワークを通して教えていただきました。ワークでは、保育者役とこども役に分かれて『ポジティブ・フィードバックとネガティブ・フィードバック』の違いを体験しました。子どもの望ましい具体的な姿を思い描き、どのような言葉をかけているか、日頃の自分の実践を振り返り、明日からの手立てにつながる研修となりました。

管理職ステージ研修―5月26日(月曜日)

 講義 「みんなちがってみんないい はじめの一歩」~性と人権を考える~

 性と人権の講演家 吉川 ヒロ さん

 「性に関する話は、人権に関する話であり、自分や子どもたちの根本的な生きる権利である」ことから研修が始まりました。『自覚なき差別:マイクロアグレッション』、そんなつもりではなくても言いがちな言葉を具体的に聞くこと、それらは形容詞で返すことが適切な言葉かけにつながる、思い込みをほぐす大切さを学びました。「この社会はまだ平等ではない」、理想はわざわざ言わなくてもいい環境を整えることであり、私たちにできることは何かを考えさせられる研修となりました。

初任ステージ研修(1)―6月4日(水曜日)

 講義 「子どもの姿や遊びから子どもを理解しよう」~子どもを見取るってどういうこと?~

 四天王寺大学 准教授 門谷 真希 さん

 今の時代を生きる子どもたちに必要な力とは、『遊び込む力』(=自分から生み出す力)がカギとなること、多様性の理解、保育者の援助や環境構成のポイントを学ぶ研修となりました。グループワークでは、動画を見て意見交流したことで、見取りの多様性につながりました。『遊び込む力』の育成のために、保育者の援助として、(1)素材や道具を用いてつくること(2)集まりでの遊びの振り返り(3)情報の活用(4)見取りと読み取りによる継続した援助の、4つのポイントを学ぶことができる研修となりました。

地域連携研修―6月11日(水曜日)

 講義・実技 「幼保こ小接続 はじめの一歩」~造形・図工でつながる育ちと学び~

 和歌山大学 准教授 丁子 かおる さん

 研修実技で、小学校2年生で行う図工「ハサミのアート」を体験しました。造形は、一人ひとりゴールが違い、個性を認められる部分がたくさんあると知れました。子どもは認められることで自信となり、その自信は他教科への意欲につながると学べました。幼児期に様々な教材や用具・道具と出会い、それらを使って、たくさんの直接的な体験や経験を土台にして、学校教育へつなげていく大切さを学んだ研修となりました。

保育のための基本研修(1)―6月24日(火曜日)

 講義・実技 「子どものやりたい!を育てる運動遊び」~自己肯定感を高める保育者のかかわり~

 大阪青山大学 教授 村田 トオル さん

 「子どもの心と体は一体であり、心が動かないと体は動かない」という言葉が印象的でした。子どもが心を動かし、「やってみたい!」意欲を高める遊びを講義・実技で学びました。動画を通して、成功体験を積んでいる子どもの実際の仕草や、オノマトペを活かした言葉かけなど、具体的に知ることで、すぐに実践に活かせる研修となりました。

健康及び安全研修―7月10日(木曜日)

 講義 「子どもの食物アレルギーの基本と対応」

 大阪健康福祉短期大学学長

 まなべこども・アレルギークリニック 院長 眞鍋 穰 さん

 食物アレルギーについて、たくさんの事例と研修講師の経験を合わせた講義で、アレルギーの深さを知る機会となりました。食物アレルギーの原因物質や症状、除去の具体的な方法などを知り、自身がもつ情報をアップデートできたとの感想が多くありました。今、新たに増えているアレルギーに関しても、丁寧に説明してくださり、園での共有や保護者啓発につながる研修となりました。

ミドルリーダーステージ研修(1)―7月18日(金曜日)

 講義 「仲間と育ちあう教育・保育とは」~「いいね」が広がるあったかいクラスをめざして~

 大阪大谷大学 特任教授 奥薗 みどり さん

 保育者は、子どもが心を動かし、何かにかかわろうとしている、取り組もうとしている、自分なりに何かを考えているなど、その子らしさのプロセス(過程)を見取り、目に見えない育ちや学びを評価することが大事であると教えていただきました。子ども理解の視点を変えれば、捉え方も変わることが知れ、子どもの内面の見取り方が広がった参加者も多くいました。研修タイトルのような、こころもちで保育実践に取り組み、援助・指導の見直しや改善に活かしてほしいとエールをいただきました。

食育研修―7月28日(月曜日)

 講義 「乳幼児の咀嚼について」~幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイドをふまえて~

 大阪樟蔭女子大学 准教授 上田 由香理 さん

 「月齢で考えるのではなく、口腔機能の発達が大切である」という重要なことを学べました。口腔機能の育ちの中で、今、どこで躓いているのかを見る、咀嚼の効用など、子どもたちへの具体的な言葉かけも教えていただきました。離乳食のポイントや食具について、保護者啓発のポイントなどについても聞くことができ、すぐに実践に活かせる内容となりました。

ミドルステージ研修(1)―7月29日(火曜日)

 講義 「遊びが学び 学びが遊び」~保育ドキュメンテーションで綴る学びの芽~

 大阪総合保育大学 教授 瀧川 光治 さん

 ドキュメンテーションは何のためにつくるのか、何を発信するかを改めて考える研修となりました。文部科学省の「資質・能力」についての公式動画を使って、幼児期の教育の中で大切することを解説してもらい、やってみたい!が発揮できる保育活動や保育者の援助のあり方などを見直す機会となりました。ドキュメンテーションは、「子どもの遊び理解」で保育を振り返る中で、子どもの学びを可視化し、次の援助や環境を考える手立てとなるツールであることを学べました。

キャリアステージ研修(1)―8月4日(月曜日)

講義 「不適切保育ってどういうこと?」~子どもの人権を尊重する保育~

 武庫川女子大学 教授 倉石 哲也 さん

 「不適切保育の防止に関する法律の施行」の方向性や、様々な法改正のもと、「不適切保育」という表現はなくなり、『虐待』という表現に1本化されるということを知る機会となりました。『虐待等と判断される行為の指標』を学び、保育者の子どもへのかかわりが、どんな意図で行われたのか、本当に子どものためなのかを振り返りました。子どもの最善の利益を保証することが、不適切な保育の防止につながり、保育の質向上を促すことを学び、自身の保育を振り返ることができた研修となりました。

キャリアステージ研修(2)―8月29日(金曜日)

 講義 「子どもの心に寄り添うって?」~保育者の役割を知ろう~

 大阪総合保育大学 准教授 要 正子 さん

 「子どもの心に寄り添うこととは」「そのために保育者がどのような役割を担うのか」を考える研修となりました。『やってみたい意欲(心の育ち)』から、興味・関心が広がり、体も動いていく、人が人として育つための乳幼児期の重要性を再認識しました。ワークでは、相手の気持ちを推察し、共感することの大切さを実感できました。AIが発達しても『心を通わせる』仕事として保育の仕事は重要であると、改めて確認することができました。

子育て支援研修―9月3日(水曜日)

 講義 「信頼関係を築く・保護者の自己決定を支える」

 大阪総合保育大学 准教授 丸目 満弓 さん

 信頼関係を築くために大切にしたいこととして、『バイスティックの7原則』を学びました。その人の言葉をしっかりと聞く、相手の思いをわかりたいと思っている気持ちを出す、その人に合った自己決定を促すなどを知りました。また、どのように実践に活かしていくのか、という課題部分を、ワークを通して学び合うことができました。無意識にしていたことに気づき、意識化して実践し、専門性の高い援助とはどのようなことなのかを考え合う研修となりました。

初任ステージ研修(2)―9月12日(金曜日)

 講義 「主体的な遊びが広がる保育環境」~“やってみたい”と心が動く遊び環境とは~

 大阪芸術大学短期大学部 教授

 社会福祉法人子どものアトリエ 城東よつばこども園 理事長 瀧 薫 さん

 子どもの遊ぶ姿や保育環境・教材などを動画や写真を用いて講義していただきました。子どもの成長の土台には、心の栄養が必要であること、保育者の専門性には、発達過程を踏まえた環境を通して養護及び教育を一体的に行うことが必要であると再確認しました。その中で、各年齢に応じた環境構成では、すぐ実践に活用できる内容で、「早く実践したい」という参加者の感想も多くありました。

特別支援教育・保育研修(2)―9月17日(水曜日)

 講義 「一人ひとりが大切にされるインクルーシブ教育・保育とは」~共に育ちあうために~

 大阪大谷大学 教授 小田 浩伸 さん

 はじめに適切な支援を早くから行うことにより、今後の支援が必要なくなることにつながると知りました。子どもの支援のポイントや大切にしたいこと、保護者対応の具体的な支援のポイントなどを学べました。「よく見といてね」と聞いて、見ているのにその後の質問に全く答えられない、映像を見て質問されても分からず、その後はあまり考えられなくなるなどの実体験を通して、困っている子どもの気持ちを知るきっかけになりました。子どもの困り感に寄り添った保育内容や、言葉のかけ方を再確認する機会になりました。

ミドルリーダーステージ研修(2)―11月7日(金曜日)

講義 「同僚性を高めるコミュニケーション」~聞き上手、話し上手になるために~

 大阪常磐会大学短期大学部 教授 恒川 直樹 さん

 コミュニケーションを高める3要素((1)相談する側の思い(2)相談を受ける側の思い(3)園の風土)から同僚性を高めるために大切にすることを教えていただきました。ワークでは、『クイズ・カンファレンス』と題して、保育実践を発信する体験もできました。自分の言葉で発信する難しさもありましたが、クイズ形式にすることで、楽しみながら積極的に話す参加者の笑顔が印象的でした。同僚性の高い保育者集団となることは、「子どもたちに育てたい人間関係の鏡」であると聞き、改めて同僚性を育むことの大切さを確認できました。

保育のための基本研修(2)―11月17日(月曜日)

 講義・実技 「表現することを楽しむためには」~つもり遊びやなりきり遊びから~

 大阪芸術大学 准教授 小森 創介 さん

 表現することを楽しむためには、保育者も子どもも面白さや発見に気づき合えることが大事であると教えていただきました。気づくマインドをもつことができるように2人組や4人組で「Yes,and!」や「ここはどこ?」というエクササイズ体験をしました。笑ったり相談したりして楽しく研修を受けることができました。特に、絵本の一場面を取り上げて3分で演じるワークが楽しく、子どもたちともやってみたいという参加者の声が多くありました。また、劇遊びに対して、苦手意識や悩みをもつ保育者の意識改革につながったようです。

ミドルステージ研修(2)―12月3日(水曜日)

 講義 「子供の意欲につながる楽しい造形活動とは」

 立命館大学 教授 松岡 宏明 さん

 「いつも『何つくってるの?』と聞いていませんか?」と問われ、自分の実践を振り返ることから始まった研修でした。道具を使って活動を楽しんでいる間に「いいこと思いついた!」とひらめく場合もあり、子どもの思いが出せる活動であること、プロセスを見取る大切さを教えていただきました。絵画表現における発達段階を知ることで、子どもへの適切な言葉かけも変わり、準備する紙の形状や大きさを考える視点に気づくことができ、すぐに保育実践に活かせる研修となりました。

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