応急手当
もしもの時の応急処置をご紹介いたします!
のどが詰まったときの手当
咳をすることが可能であれば、咳をできるだけ続けさせてください。咳は、異物の除去にもっとも効果的です。こういう場合、口腔内の異物を手で掻き出すのは危険です。最初に少しでも咳をしていたら(背中を軽く叩くなど介助して)、もっと咳を出させ自力で異物を吐き出させます。
その他の場合の方法を以下にご紹介します。
指交差法による開口と指拭法
- 親指と人差し指を交差させます。
- 親指を上の歯に、人差し指を下の歯に当ててください。
- そのまま指をひねるようにして口を開き、口の中を奥まで見ます。
- 顔を静かに横に向けて、指にハンカチやガーゼを巻きつけ、異物をかき出してください。
※ 口の中を見る場合は、
傷病者の頭を動かさないようにし、又、入れ歯がはずれそうになっているときは取り除いてください。
背部叩打法
- 寝かせた傷病者のそばにひざまずいて、傷病者の体を自分の方に向けて横向きにします。
- 手のひらで肩甲骨の間を4~5回力強く連続して叩きます。
ハイムリック法(上腹部圧迫法)
- 傷病者を座らせます。
-
傷病者の背中から腕を回し、傷病者の上半身を抱え込むようにします。
-
片方の手で握りこぶしを作り、みぞおちのやや下方に当て、その上をもう一方の手で握ってください。
- すばやく手前上方(内側の頭側)に向かって圧迫するように押し上げます。
※ この方法は、意識がない人や妊婦、1歳未満の乳児には絶対に行なわないでください。
乳児・新生児の場合
- 片腕に頭を低くして腹ばいにさせ、あごを手にのせ固定します。
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もう一方の手で背中の真ん中を5回叩きます。(背部叩打法)
または・・・
-
後頭部と背中をささえ両腕で挟んで、もう片方の腕に上向きに返して 頭を低くしてのせます。
-
指2本で胸骨圧迫(心臓マッサージ)の位置を1秒1回の割合で5回圧迫します。
※ 異物が出てこなければ、これを繰り返します。
意識がない、またはなくなった場合には・・・
意識がない又はなくなった場合は、各年齢区分の心肺蘇生法の手順に沿って行います。
- 気道を確保し人工呼吸を試みますが、このとき異物が見えた場合は指拭法で取り除きます。
- 人工呼吸を試みても空気が入らない場合は、気道確保をやり直し再度人工呼吸を試みます。
- それでも空気が入らない場合は、気道が閉塞していると判断し、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行ないます。
- その後も、人工呼吸(空気が入るかどうか確認)と胸骨圧迫(心臓マッサージ)を繰り返しますが、人工呼吸を行う際に異物が見えたら取り除き、人工呼吸を試みます。
出血したときの手当
- きれいなガーゼやハンカチなどを傷口に当て、手で圧迫してください。
-
大きな血管からの出血の場合で片手で圧迫しても止血しないときは、両手で体重を乗せながら圧迫止血を行います。
※ 止血の手当を行うときは、感染防止のため
血液に直接触れないように注意し、必ずビニールやゴム製の手袋をはめて行ってください。それらがなければ、ビニールの買い物袋などで代用してください。
ショック状態のときの手当
- 傷病者を水平に寝かせます。
-
頭に怪我が無ければ、両足を30cmぐらい高く上げるとより効果的です。
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衣服やネクタイやベルトを緩め、毛布等を掛けて保温しましょう。
※ ショック症状のときは、皮膚が青白く冷たく、目がうつろとなり、冷汗、脈拍が弱く速い、呼吸も速く浅くなる等の症状が出ます。
やけどの手当
- できるだけ早く、きれいな冷たい流水で、15分以上痛みがなくなるまで冷やしてください。
-
衣服の上からやけどをした場合は、無理に脱がさず、衣服の上から冷やすようしましょう。
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範囲が広い場合は、冷やすときに体が冷えすぎないように注意が必要です。
※ 水泡(水ぶくれ)ができても、破らないように注意してください。
骨折の手当
骨折の疑いがあるときは、骨折しているものとして手当しましょう。
- 痛がっている場所(=骨折が疑われる部位)を、動かさないように注意し確認してください(腫れ具合はどうか、赤くなっているかどうか、熱をもっているかどうか等)。
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身近なもの(雑誌、段ボール、板等)を副木(添え木)として固定します。
※ 副木は骨折部の上下の関節も固定できる長さのものを用意し、関節ごと動かさないように固定できるとより効果的です。
ひきつけの手当
- 衣服を緩め、嘔吐物(吐きもどしたもの)で喉が塞がれないように、顔を横に向けて寝かせます。
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高熱によるひきつけのときは、熱をできるだけ早く下げるよう首や額を濡れタオル等で冷やしてください。5分以上続いたり無呼吸が15秒以上続くとき、又ははじめての時は要注意です。
※ 舌を噛むことはまれですので、口の中に無理に物や指を入れないようにしてください。口や歯を傷つけたり窒息や嘔吐の原因となる恐れがあります。
高熱のときの手当
- 悪寒やふるえがあるときは、毛布などで保温し、頭部を冷やします。
-
悪寒やふるえがないときは、過度な保温は避け、頭部、脇の下、太ももの付け根などを冷やします。
※ 5歳以下の乳幼児では、高熱によるひきつけ(熱性けいれん)に注意します。
鼻血の手当
- 指で鼻の骨の上を数分間、強めにつまむとほとんどの場合は止まります。(ただし、高血圧症等の方や坑凝固剤服用中の方は止まりにくいことがあります。)
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清潔なガーゼやハンカチを細長く切って、鼻の穴からそっといれその上で鼻を強くつまむと、なお止まりやすいです。(ティッシュなどは、後で取り除くのに苦労するので使わない方がいいでしょう。)
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出血が止まってもすぐに鼻をかまないでください。
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体を安静にして、口の中に流れ込んだ血は飲み込まず、吐き出すようにしてください。
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仰向けにしたり、首を後方に曲げる必要はありません。
熱中症の手当
- 風通しが良く、暑くないところに運び、衣類を緩め、水平位または上半身をやや高めに寝かせてください。
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顔面が蒼白で脈が弱いときには、頭より少し足を高くした体位にします。
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意識があり、吐き気や嘔吐などがなければ、冷たい水やスポーツ飲料などを飲ませるとともに塩分を摂らせてください。
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体温が高いときには、水で全身の皮膚をぬらし、あおいで風を送り体温を下げる。
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皮膚が冷たかったり、震えがあるときには、乾いたタオルなどで皮膚をマッサージする。
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意識がないときには、※ 回復体位 をとらせ、一刻も早く医療機関へ搬送する。