10月分

「皆にやってほしいことがあります。今日、学校から帰るまでに誰かを喜ばせてください！校長先生からのミッションです！」

私が始業式で子どもたちに伝えたことです。誰でもいいし、何でもいいので、帰るまでに全員が誰かを喜ばせてほしい。皆がそういうことを楽しんでできるようになったら、学校がもっと幸せな場所になると思うので…というような話をしました。

皆が、誰かを喜ばせることを当たり前のようにできるようになったら素敵だなぁという願いを込めて話をしました。

 

さて、それから日は過ぎて…ある時、地域の方からこんな話を聞きました。地域の方が、下校中の子どもたちの見守り活動をしていたときのことです。残暑厳しい中、下校中の子どもたちが安全に帰ることができるように声をかけて見守ってくれています。

「私が、「さようなら。」　と声をかけたら、「いつもありがとうございます。」と子どもが言ってくれたんです。私、感動して、なんて立派なんだろうと思って…。思わず涙が出そうになったんです。先生たちにも感謝してますとお伝えください。」と。

「さようなら。」に対して「さようなら。」と返ってくると思ったら「いつもありがとうございます。」と返ってきて、思わず感動したという素敵な話でした。こんな幸せがたくさん溢れてほしいなぁと願います。

 

考えてみれば、人を感動させる力って、誰でも持っているのですね。

「期待以上」のことが起きた時に、人は感動します。ちょっとの差でいいんです。「さようなら。」だと思ったら、「ありがとう。」だった。このほんのわずかな差で、子どもが大人を感動させたという話が、私は大好きです。

自分たちの仕事を振り返った時、ほんの少しの差でもいいから「期待以上」を出せるよう頑張るべきだと、この話から気づかされます。それを楽しみながらやろうとする子どもたちから学ぶことがたくさんあります。

 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八尾市立曙川小学校　校長　坂本　篤史