[2022年9月12日]
ID:64882
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八尾市と国立大学法人大阪大学(大阪府吹田市)は、本市の健康づくり事業を推進し、八尾市民の健康増進の向上を図ることを目的として、健康づくり事業の推進に関する協定(別ウインドウで開く)を結んでいます。
その一環として、生活習慣病等や認知症・フレイルの危険因子を疫学的に解析し、医療費や死亡・ADL低下リスクのシミュレーション評価を行うことを目的として、個人情報を厳重に保護した上で、市民の健診結果データ、医療費データ、介護保険データ、死因データ等を用いた分析・評価を行います。
大阪大学と進めているデータ分析の結果については、順次わかりやすく掲載していきます。
日本における認知症の患者数は増加し続けており、2060年には65歳以上の高齢者の30%以上(1154万人)に達する可能性があると言われています。本市でも認知症の高齢者は増加傾向にあり、2021年度の約9千人から、2025年度には1万人を超えると推計されています(第8期八尾市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画)。
したがって、認知症の予防は本市における重要な健康課題の一つです。
今回、本市の国民健康保険加入者の特定健診データと介護保険データを突合して、認知症の危険因子について分析しました。
その結果、認知症の危険因子として、以下の要因が明らかになりました。
・脳卒中にかかったことがある
・血圧が高い
・糖尿病になっている
・腎臓(じんぞう)の働きが悪い(腎不全など)
・肝臓(かんぞう)の数値が高い
・タバコを吸っている
図1に示す通り、脳卒中の既往がある場合は認知症になるリスクが約2.1倍と最も高くなりました。脳卒中とは脳の血管が破れたり(脳出血)、詰まったりする(脳梗塞)病気で、そのために脳の細胞の一部が死滅しますので、認知症になりやすくなります。
したがって、「脳卒中予防=認知症予防」ととらえて、脳卒中にならないよう高血圧や糖尿病等の予防と管理をしっかりと行っていくことが重要です。
認知症の危険因子の全容は解明されていないものの、今回の分析から、本市においては、脳卒中や高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防や禁煙を実践することが、認知症の予防にもつながると考えられます。また、それ以外の予防法としては、定期的な運動、バランスのとれた食事、過度な飲酒を控えること、頭を働かせること(読書、脳トレ、指先や頭を使う趣味、人との会話など)、難聴やうつの治療などが一般的に推奨されています。
<学術発表>
1.田中麻理、今野弘規、羽山実奈、村木功、白井こころ、山岸良匡、岡田武夫、木山昌彦、北村明彦(別ウインドウで開く)、高山佳洋、磯博康.中年期・前期高齢者のリスク因子と将来の要介護認知症発症との関連.第80回日本公衆衛生学会総会(東京).口演.R3.12.21-23.
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