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中年期・前期高齢期の健診所見と将来の要介護発生との関連

[2023年12月18日]

ID:72111

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八尾市と国立大学法人大阪大学(大阪府吹田市)は、本市の健康づくり事業を推進し、八尾市民の健康増進の向上を図ることを目的として、健康づくり事業の推進に関する協定(別ウインドウで開く)を結んでいます。

 その一環として、個人情報を厳重に保護した上で、八尾市国民健康保険加入者の健診結果データ、介護保険データを用いて分析を行い、要介護発生の危険因子を検討しました。



要介護発生の危険因子について

 超高齢社会である我が国では近年、疾病予防や重症化予防のみならず健康寿命の延伸を目的として、医療保険制度下で実施してきた生活習慣病対策等の保健事業と、介護保険制度下で実施してきた介護予防を一体的に実施することにより、高齢者に適切な医療と介護サービスを繋げるための法改正が行われました(令和2年4月1日施行「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」)。

 市町村において保健事業と介護予防を一体的に実施するためには、要支援1以上の「要介護発生」の予防に焦点を当てて、中年期から高齢期までを対象とした切れ目のない対策が重要です。具体的には、要介護になる可能性が高いハイリスク者の特定と、集団全体の要介護発生への寄与度が高い危険因子に対する重点的対策が必要です。

そこで八尾市在住の国保被保険者(40~74歳)の26,868人の特定健診情報とその後の介護保険の要介護認定情報を突合して、要支援1以上の要介護状態になりやすい中年期・前期高齢期の健診所見について分析しました。

要介護発生の危険因子が明らかに

分析の結果、要介護発生の危険因子として、以下の所見が明らかになりました。(図1)

【図1】要介護発生のリスクを高める危険因子


要介護になるリスクが高い順に並べると以下のようになります。
BMI 30kg/m²以上 (肥満2度)
脳卒中の既往
・腎臓の働きが悪い(尿蛋白2+以上または慢性腎不全の診断もしくは人工透析等の治療を受けている)
・タバコを吸っている
・糖尿病になっている
(空腹時血糖126mg/dL 以上、随時血糖200mg/dL 以上、HbA1c(NGSP)6.5%以上、糖尿病治療のいずれかに該当している)
・血圧が高い(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上、降圧剤使用のいずれかに該当している)
BMI 18.5kg/m²未満 (やせ)
・心臓病の既往
・BMI 25~30kg/m²
 (肥満1度) 

生活習慣に関連する危険因子の解消で、要介護発生が最大約3割減らせる

次に、各危険因子が集団全体の要介護発生に寄与する割合を算出したところ、図2に示す通り、高血圧の寄与割合が10.1%と最も高い結果となりました。これは、高血圧という病気が無くなれば、要支援1以上になる人の割合が約1割減少するという意味です。同様に、喫煙、糖尿病、脳卒中の既往、BMI25以上(肥満(1度、2度以上))、心臓病の既往、BMI18.5未満(やせ)、腎機能障害の寄与割合を算出して合計すると29.2%となりましたので、これらの危険因子の解消によって、要介護発生を最大約3割減らすことが可能と推計されました。

【図2】集団全体の要介護発生に対する各危険因子の寄与割合


生活習慣病予防と禁煙は、要介護にならないためにも重要

要介護状態になる原因は様々ですが、今回の分析から、本市においては、高血圧、糖尿病、脳卒中などの生活習慣病を予防し、禁煙と適切な体重管理を実践することが、要介護発生を防ぐ効果をもたらすと考えられます。要介護の原因疾患を調べた別の調査結果からも、脳血管疾患、心疾患、糖尿病、悪性新生物などの生活習慣病が要介護の大きな原因疾患となっていることがわかりました。

八尾市民が要介護になる原因疾患とは(別ウインドウで開く)


そのためには、高齢になる前の中年期から、特定健診等を定期的に受けて危険因子の有無をチェックするとともに、適度の運動とバランスのとれた適量な食事を心がけることが重要です。

健診に関するお問合せ先
健康保険の種類等受診券について健診内容について
八尾市国民健康保険健康保険課 国民健康保険係
TEL:072-924-3865
保健センター
TEL:072-993-8600
後期高齢者医療保険健康保険課 高齢者医療係
TEL:072-924-3997
大阪府後期高齢者医療広域連合
TEL:06-4790-2031(給付課)
生活保護受給者生活福祉課
TEL:072-924-3836
保健センター
TEL:072-993-8600
職場などの医療保険*加入している医療保険にお問合せください

   1年に1回健診受診      

    禁煙       

  バランスのとれた食事    

 適度な運動

 

<学術発表>

1.田中麻理、今野弘規、北村明彦、村木功、白井こころ、山岸良匡、清水悠路、岡田武夫、木山昌彦、羽山実奈、髙山佳洋、川崎良、磯博康.中年期・前期高齢期の健診所見と将来の自立度低下との関連.第82回日本公衆衛生学会総会(つくば).口演.R5.10.30-11.2.

お問い合わせ

八尾市健康福祉部健康まちづくり科学センター

電話: 072-994-0665

ファックス: 072-922-4965

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