十八巻 文書や発掘調査から探る地震(三)

ページID1011435  更新日 令和7年1月30日

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写真:久宝寺遺跡の液状化状況


大きな地震が発生したとき、ニュースで「液状化」や「墳砂」といった言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

私たちの住む地面は、河川によって運ばれた土砂や、人為的な整地、盛り土によって砂や粘土が堆積し、地層を形成しています。このうち砂や礫(れき)の層は粒子が粗く、地下水を含んでいることがあります。地震による衝撃で地層の収縮運動が起こり、砂や礫の層に含まれる地下水の水圧が高まり、逃げ場を求めて上部の地層を突き破って上昇する現象が「液状化」であり、一緒に吹き上がった砂や礫を「墳砂」と呼んでいます。このように液状化は水分と砂礫層が要因であるため、海岸や河川、池などの近辺あるいは地面に地下水を含む地域に多く発生します。

発掘調査を行っていると、液状化の痕跡を見つけることがあります。その際に墳砂が突き破った地層に包蔵されている土器を調べることによって、液状化すなわち地震が発生した時代が分かります。

八尾市域では、志紀、田井中、福万寺の各遺跡で、弥生時代の液状化や地滑りの痕跡が見つかっているほか、植松遺跡では、平安時代から中世の時期、そして久宝寺遺跡では弥生時代前期前半(紀元前6世紀)、白鳳南海地震(645年)、伏見地震(1596年)、慶長地震(1605年)による液状化が確認されています。

過去、どこでどのような地震が起こったのか、また当時の人々がどのように行動したのかを把握することで、災害に強いまちを作ることができるかもしれません。八尾市だけでは難しいかもしれませんが、周辺市と共同して、歴史から災害を見直す機会を持つことも必要でしょう。

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