[2019年10月4日]
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その後、平成28年11月から寺院の跡が見つからないか周りを調査した結果、多くの瓦が集中している場所や一辺約20mの正方形の塔の基壇(きだん)(建物の基礎となる土盛り)が見つかりました。
見つかった基壇には、心礎石(しんそせき)(塔の中心柱を支える石)や柱礎石、そして外装(がいそう)施設である羽目石(はめいし)(基壇の周囲を覆った石)や地覆石(ぢふくいし)(基壇の下部に横に据えた石)などは、失われていましたが、粘質土と砂質土の薄い層を交互に突き固めた「版築(ばんちく)」が確認でき、基壇の築造方法がわかりました。
その他、基壇周辺から見つかった瓦や凝灰岩の切石、壁土などは、火を受けた痕跡がみられます。また、塔の頂部に立てられた「相輪(そうりん)」の一部である「伏鉢(ふくばち)」か「請花(うけばな)」とみられる直径約90cmに復元できる銅製品も焼けて割れています。これらのことから、時期はわかりませんが、塔が火災で焼け落ちたことがわかります。
今回の発見により、日本の正史である『続日本紀』に登場するも”幻の寺”とされてきた由義寺の場所が明らかになりました。このことは、八尾に副都としての整備が進められた「西京」を考えるうえでも日本史上の重要な発見となりました。
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