校長室より3
大阪880万人訓練
9月3日(火曜)、3年生がチャレンジテストを終えた6時間目に全校で避難訓練を行いました。そのすぐ後、15時を過ぎると先生方のスマホから大阪880万人訓練を知らせる音がなりました。
私の母は和歌山県湯浅の漁師町の出身で、私は幼いころからお盆やお正月に母の実家を何度も訪れていました。今年のお盆も高齢の母を連れてお墓参りに行きました。その際、叔父と小さい頃から何度も通ったお墓までの道を歩いているときの十字路で、『地震の時、(あなたの)お母さんがこっちに曲がって逃げていたら津波にのまれて死んでいたんやで』と話し始めました。『地震?津波?母が津波にのまれる?』私は何のことかわからず、叔父に詳しく聞くと、『戦争が終わる前後に大きな地震が2度あって、たくさん人が亡くなった。』ということでした。今まで何度も来ていたのにそんなことは一切知りませんでした。調べてみると1944年(昭和19年)12月7日に震源が紀伊半島東部の三重県から静岡県の遠州灘の昭和東南海地震M7.9、1946年(昭和21年)12月21日には震源域が紀伊半島南西部から高知県の中部沖の昭和南海地震がM8.0とありました。戦時下の情報統制や戦後の混乱の中で、あまり知られていないと叔父は言いました。
南海トラフはこれまでに100~150年間隔でマグニチュード8クラスの巨大地震を引き起こしています。一番最近の地震が私の母が命を落としそうになった昭和南海地震で、それから78年が経っています。それがこれから30年以内に高い確率で地震が起こると言われる根拠の一つです。もちろん昔と違って科学的なデータもあり、その確率の高さはより正確なものと言えるかもしれません。
8月8日に宮崎沖で大きな地震があり、気象庁より一週間の「巨大地震注意」が発令されました。お盆にも影響が出て、日本中が地震に備え、今日の米不足につながる要因の一つになっていると言われています。私もさぼっていた“ローリングストック”(古いものから消費し、新しいものを買い足すことで一定量の食品を備蓄する方法)を心掛けていましたが、先週の避難訓練の際にはもう“いい加減”になっていました。2018年6月18日午前7時58分、大阪でも大きな地震(大阪府北部地震)がありました。当時も私は亀井中学校に勤務しており、登校していた生徒をグランドに集め、安全を確認したうえで下校させ、登校してきた生徒も家に帰るように指示し、校内の安全点検を行いました。この地震による本校への影響はなかったのですが、高槻市で倒壊したブロック塀の下敷きとなり児童が犠牲になるという痛ましい事故があり、学校の周囲にあったブロック塀がすべてフェンスになるなど安全対策が取られてきました。亀井中としても登下校時に危険な場所がないかのチェックも行いました。では、現在はどうでしょうか。南海トラフ地震が起こるかもしれない日が刻一刻と迫ってきているはずなのに、2018年当時の緊張感は薄れてきています。四六時中地震が来るかもしれないという緊張感を持つことはとても難しいです。日常生活に追われて、“ローリングストック”さえおざなりになってしまいます。しかし、学校では400人以上の生徒を毎日預かっており、『おざなりだった』ではすまされないことを常に意識しなければと思っています。設備の点検を定期的に行っていますが、避難訓練は生徒たちのためだけでなく、教職員の訓練も兼ねています。いたずらに不安をあおったり、感じさせたりする必要はありませんが、備えは学校でもご家庭でも大切です。防災マップを確認したり(『八尾市の防災マップ』と検索すれば見ることができます)万が一の避難経路など平時の今だからこそ備えをしなければと思っています。
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