第45回 文化祭
この暑さがいつまで続くのか不安になるような長い夏がやっと終わり、少しずつ秋を感じられるようになってきた10月24日(金曜日)に本校45回目の文化祭が行われました。涼しさを感じるような気温とはうって変わり、体育館の中はある種の“熱狂”に包まれた、「熱い」舞台発表が行われました。
第1部 舞台発表

トップバッターは吹奏楽部で、堂々とした演奏からスタートしました。3年生の部員にとってはこれが中学校最後の舞台となりますが、演奏している自分たちだけでなく、観客をも楽しませようとする圧巻のステージが続きました。「やっぱり音楽は楽しくなくちゃ!」と心から思えるような演奏で、吹奏楽部員はもとより、指揮する顧問の小野先生や池田先生、そして観客である全校生徒、保護者はみんな笑顔で、大きな歓声もところどころであがっていました。銀河鉄道999(スリーナイン)の劇場版主題歌「The Galaxy Express 999」から始まりましたが、このアニメは1978年に放映された松本 零士さん原作の漫画です。約50年前のアニメソングが、こういう機会にも演奏されるのだなということに、少し感慨深くなりました。「ゴダイゴ」という昔懐かしい(子どもたちが生まれた何年も前の…)バンドが歌っていますが、ぜひオリジナルソングも聴いていただければと思います。ポップなメロディの中にある『あの人の目が うなずいていたよ 別れも愛の ひとつだと』という歌詞が胸に沁みる名曲です。CUTIE STREETの「かわいいだけじゃだめですか?」では、かわいい担当の先生方である(?)、渡邉先生、濱渦先生、長島先生が、キレッキレのダンスを、Mrs.Green Appleの「ライラック」では、プロミュージシャンでもある小澤先生のギターソロ、アラジンのテーマ「A Whole New World」では、“亀井中のアラジンとジャスミン”こと(?)アレックス先生と宮島先生デュエットが披露されるなど、会場はスタートから大歓声に包まれました。次の、芸術部の作品紹介アナウンスでは、部員たちの作品に対する想いが語られ、静かさの中に熱い想いが込められていました。


そしていよいよ、1年生の合唱コンクールが始まりました。当たり前のことですが1年生にとっては中学校生活初めての文化祭での発表であり、また最優秀、優秀、指揮者、伴奏者の賞を争う場ともなります。勝ち負けが全てではないとは分かりながらも、みんな緊張している様子がまわりにも伝わってきました。1年生の合唱は「スタジオジブリシリーズ」ということで、1組の「君をのせて」、2組の「となりのトトロ」、4組の「風になる」、3組の「やさしさに包まれたなら」と、テレビやオンデマンド、DVDなどで観て聴いたなじみのある曲が、まだ声変わりしきっていない少し幼さが残る中でのアルト、ソプラノの混声合唱として披露されました。指揮者や伴奏者も含めて、各クラスの練習の成果が現れるような発表となりました。初めてなので、文化祭というものがどういうものかをイメージできない状況の中で練習し、発表することは非常に難しかったと思います。それでも、それをやり遂げたことは素晴らしかったなと感じました。

第2部 舞台発表
第2部は「多文化を考える会」の発表から始まりました。「考える会」の活動は、他の部活動と兼部している部員も多いため、昼休みや放課後の少ない時間の中で行われています。にもかかわらず、人形劇「ラク・ロン・クアンとオウ・コー姫」、クイズ、ムーラン(ベトナムの獅子の舞)が上演、披露されました。人形劇の「ラク・ロン・クアンとオウ・コー姫」は、ラク・ロン・クアンとオウ・コー姫が結婚し子どもを産み(100個の卵)、別れる。水の民のともに海に帰ったラク・ロン・クアンと、山の民のともに山に残ったオウ・コー姫、そして100人の子どもたちは分かれた両親の子孫として、ベトナム人の祖先となる。といった、自然(水と山)の結びつき、子孫繁栄と民族のルーツをテーマとしたベトナム民族の起源神話の物語となっています。その人形劇からベトナムの人形劇についてのクイズ、そしてムーランの獅子舞へと続く発表はそのテーマと流れが非常にわかりやすく、また邪気払い・勝利・幸福を呼び込むとされる獅子舞はとても迫力がありました。日本の獅子舞と同様、「嚙まれる」ことで幸福を呼ぶとされているからか、生徒たちが自ら噛まれようとする姿がコミカルで笑いも起き、大いに盛り上がった発表となりました。「考える会」の部員たちの少し誇らしげな表情がとても印象に残っています。
そこから2年生の合唱コンクールが始まりました。1年生のときの経験がある2年生にとってはこの合唱コンクールの雰囲気も少しわかっているものとなっています。ところどころで「やばい、緊張する~」という声がちらほら聞こえてきました。2組の「Chessboard」、3組の「旅立ちの時 ~Asian Dream Song~」、1組の「地球星歌 ~笑顔のために~」、4組の「この地球のどこかで」はそれぞれ技術的にも難しかったと思われますが、声に深みがあり重厚さを感じさせました。また舞台に上がるとき、降りるときの姿勢や動きもきちんと統制されていて、少しでも自分たちのクラスの評価を上げたいという気持ちが現れていたように感じます。この間、職員室では担任の先生たちの合唱、学級にかける想いも話題に多くあがり、過去に合唱コンクールを経験した先生からは「この学年の合唱、どこもすごいです。過去一番かもしれません。3年生食ってしまうかもしれませんわ~」という学級、学年自慢の声も聞こえてきました。それぐらいの練習の雰囲気だったのだということが伝わってきていましたが、その先生たちが言っていたことがよく理解できるような出来だったと思いました。学年全員で歌った「時の旅人」は、各クラスで頑張りが一つとなってとても迫力があり、心に訴えかけてくるような、これまた素晴らしい合唱となっていました。保護者席からも「涙が出てよう見えへんかったわ~」という声が聞こえてきました。


展示見学
昼食後の展示見学は、各学年教科に関わる作品や修学旅行新聞、校外学習新聞、そして芸術部の作品が展示されていました。教科については国語、社会、美術、技術、家庭科の展示になっており、普段の授業の一端が垣間見れるような作品となっていました。得意、不得意はあるものの、しっかりと取り組む姿勢は現れていたのではないかと思います。芸術部の「亀井美術館」は3年生の絵画などの美術作品、1,2年生は立体作品が展示されており、作品から静かに何かを訴えかけてくるようなものがあったように感じます。どれも構想から実際に仕上げるまでに多くの時間を要したのだろうなと思えるような出来でしたが、好きなことに没頭するって素敵だな、という気持ちになりました。その中で、3年生の宮内 愛梨さんの作品である『最後の職員会議』はレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』のオマージュ作品となっていましたが、イエス・キリストとその弟子たちを校長先生と職員室の先生たちに見立てた非常にユーモラスな作品に仕上がっていました。職員室でも大きな話題となり、反響を呼んでいました。

第3部 舞台発表
さて、いよいよ3年生の合唱コンクールとなりました。始まる前から3年生たちの何とも言えない雰囲気が会場中を覆っていました。体育大会での雪辱を誓い、今度こそは!という想いや、体育大会の勢いそのままに合唱でも!という想い、何より中学校生活の中で最後となるこの文化祭で、クラスや学年の仲間と何かを成し遂げたいという、やけどしそうなぐらい熱い想いがヒリヒリとした緊張感となって伝わってきました。全クラス課題曲「Story」に続く、2組の「蕾」、1組の「楓」、3組の「YELL」、4組の「友よ」は、それぞれの曲の歌詞さえその学級の想いを表現してるように感じさせるような、指揮者、伴奏者もたくさん練習したんだなということが、そしてまたそれぞれのクラスの溢れる想いが伝わるような素晴らしい合唱となりました。歌っているとき、歌い終わった後に涙を流す3年生も多く見られ、それほどまでにこの合唱にかける想いが強かったんだろうということが、見ている(聴いている)人たちに大きな感動を与えるものになったと思います。3年生の学年合唱は、各クラスの課題曲と同じ「Story」でしたが、なぜ同じ曲を選んだのだろうかと一瞬思わせながら、聴いているうちになんとなくその理由が分かったような気持ちになりました。涙と想いが詰まった本当にすばらしい合唱だったと思います。採点をしている先生方も大いに悩み、差をつけることがこれほど難しいものかと悶えるように評価をしていました(ちなみに3年生学年主任の柳先生は、合唱を聴きながら鼻をすすり、目頭をおさえ…)。

結果発表、閉会
それぞれの学年の合唱コンクール、指揮者賞、伴奏者賞の結果は以下の通りになりました。
1年
最優秀賞 3組 優秀賞 1組
指揮者賞 阪上 寛太さん 伴奏者賞 藤井 優花さん
2年
最優秀賞 4組 優秀賞 1.3組(同点)
指揮者賞 石田 有人さん 伴奏者賞 長田 翼さん
3年
最優秀賞 4組 優秀賞 3組
指揮者賞 宮田 晃奈さん 伴奏者賞 松川 陽音さん
どのクラス合唱、指揮、伴奏も甲乙付け難くほんとうに素晴らしかったです。取組みの中でうまくいかなかったことや言い争いになったこと、モチベーションの差に悩んだことなど、すべてが順風満帆にいかなかったとも聞いています。その過程を含めて、結果発表の時の喜びの声や悔し涙を流す姿、安堵や放心状態になっている様子がこの文化祭の大きさを表しているように感じました。また、結果発表は最優秀賞、優秀賞の後に指揮者賞、伴奏者賞が発表されましたが、最優秀賞、優秀賞が取れなくてものすごく落ち込んだ様子であった3年2組が、伴奏者賞で松川さんが発表されたとき、まるでクラス全員が賞をとったように喜んでいた様子がとても心に残りました。個人の賞と言えども、自分たちのクラスの仲間がとった賞を心から喜べる姿に、3年生の仲間を思いやり、大切に想う気持ちを見たように思いました。それぞれの表情はありましたが、生徒を含め、保護者のみなさま、先生方がとてもいい表情をしていたように感じます。何かに懸命になり、「やりきった」と思えた後にやってくるのは、勝ち負けを超えた爽やかな拍手なのではないかと思います。この体育館にいるそれぞれの人が、なんだかとても晴れやかな気持ちになれたのではないか、と思えるような素晴らしい文化祭であったと思います。この経験をもとに、またこれからの学校生活が子どもたちにとってより充実したものになるよう、我々教職員もしっかりと努めたいと思います。今後も保護者のみなさま方のあたたかいご支援とご協力を、よろしくお願いいたします。
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