二四巻 えきちか(駅近)古墳発見!~地下鉄八尾南駅から歩いて1分 八尾南遺跡~
大阪市営地下鉄谷町線の八尾南駅は、八尾市内にある唯一の地下鉄駅で、昭和55年(1980年)に開業しました。
この地下鉄開業工事に伴う発掘調査が、昭和53年(1978年)から54年(1979年)にかけて行われ、八尾市内での本格的な発掘調査の幕開けとなりました。
八尾南駅から地下鉄線沿いに西へ50mほどの地点では、古墳時代の集落跡や水田跡と共に、1辺11.5mで、4世紀ごろの方墳「八尾南1号墳」が見つかりました。
また、駅の南西150m付近では、5世紀後半ごろの方墳「八尾南8~10号墳」が見つかっており、埴輪(はにわ)や土器が出土しています。
その後、八尾南遺跡では多くの発掘調査が行われ、若林町1~3丁目付近にかけて、3世紀後半から5世紀後半にかけての古墳が20基程度見つかっています。
八尾南遺跡は、羽曳野丘陵の北端に位置し、付近では旧石器時代の遺跡から確認されていますが、古墳時代に入っても大きなムラが営まれ、お墓も継続して造られていたようです。
八尾南駅南側ロータリーには、八尾南遺跡の説明石版が建っています。
今回の「えきちか古墳発見!」で見てきたように、八尾市には、生駒山ろくに国史跡心合寺山(しおんじやま)古墳や高安千塚(せんづか)古墳群といった数多くの古墳がありますが、市街地の平野部にもこれまでの発掘調査で多くの古墳が見つかっており、古墳時代の八尾が、たくさんのムラが営まれるなど発展した地域であったことを示しています。