夏の旧家に響く、怪談と哀愁の音色

ページID1025326  更新日 令和8年8月31日

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「“怪談”でひんやり!? 小説ひとり語り芝居」開催

怪談小説ひとり語り芝居の様子

8月29日、安中新田会所跡旧植田家住宅で「“怪談”でひんやり!? 小説ひとり語り芝居」が開催されました


旧植田家の入口

旧植田家住宅は、宝永元年(1704)の大和川付替えによって開発された「安中新田」の会所屋敷の地を受け継ぐ歴史ある建物です。蒸し暑さの残る夏の夕暮れ、畳敷きの座敷には、小学生から高齢者まで幅広い世代の約30人が集まりました。


語り始める俳優の三上さん

静かにふすまが開き、登場したのは俳優の三上祥弘さん。小泉八雲の「むじな」「いつもよくあるはなし」を、大きすぎず小さすぎない声で、ぽつり、ぽつりと語り始めます。観客が物語へ引き込まれ、部屋が静まり返ると、外から聞こえる風鈴の「ちりん」という音までが、まるで物語の一部のよう。突然声を張る場面では、会場中から驚きの声が上がりました。


耳をふさぐ男の子

語りをさらに印象的にしたのが、ミュージカル・ソウ奏者Andreさんによる効果音です。のこぎりから響く、柔らかく揺れるような不思議な音色や木魚の音が、怖さだけでなく、どこか寂しく切ない空気をつくり出します。物語の途中には、思わず耳をふさぐ男の子や、お母さんの腕にしがみつきながら聞き入る女の子の姿も見られました。


ミュージカル・ソウ奏者Andreさんの演奏

小泉八雲の作品を終えると、Andreさんがアイルランド民謡「ロンドンデリー」を演奏。哀愁を帯びた音色が夏の夜の旧家にゆっくりと広がり、観客は静かに耳を傾けていました。


座りながら語る三上さん

後半は、有栖川有栖さんの「清水坂」。三上さんは椅子に座るだけでなく、場面に応じて立つ位置を変え、登場人物の動きや情景を体全体で表現します。はじめは笑いながら聞いていた観客も、物語がクライマックスを迎えるころには、涙ぐむ姿が見られました。


語り手三上さんの様子

終演後、「怖いというより切なくて、胸がきゅんとした」「三上さん自身の体験談だと思って聞いていた」と話す観客に、三上さんは「それが『ひとり語り』というもの。朗読するのではなく、自分が体験した話のように語るんです」と説明しました。


旧植田家の外観

声、表情、動き、そして音。歴史ある旧家という空間までもが一つになり、聞く人それぞれの頭の中に物語の景色を描き出した、夏の夜のひとときとなりました。


怪談を語る三上さんと効果音を奏でるAndreさん

怖くてお母さんにしがみつく女の子


問合わせ先

安中新田会所跡旧植田家住宅 電話:072-992-5311

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